ねもとです。
土地や建物を購入する基準のひとつに『坪単価』があります。
土地においては1坪あたりの価格、建物においては1坪あたりの建築費と実は２つ意味合いを持ちます。これから住宅購入を考える皆さまは必ずチェックしておいてくださいね。
【土地の坪単価】
土地における坪単価は1坪あたりの価格。
販売される土地の面積はまちまちなので、坪単価は分かりやすく比較するためにとても役に立ちますね。
こちらはSUUMOで見つけた豊島区のとある売地情報。
1坪＝畳約2枚分、3.3㎡ですが、この土地の坪単価は322.4万円/坪。
何かの間違いかと思うほどの価格ですが間違いではありません。土地面積40.92㎡は坪に直すと10.72坪。坪単価を掛けると≒3990万円になります。
余談ですが、
土地に”定価”はないものの、実勢価・公示地価・基準地価・路線価という４つの指標となる価格があります。これらを踏まえた上で売主の事情や土地の要因を含め市場に出回る売値が決まります。
先ずは一通り希望エリアの不動産情報に目を通してみてください。なんとなくそのエリアの相場感が掴めてくると「この土地高いな、安いな」と気付くことがあるでしょう。
高いには高いなりの、安いには安いなりの理由が必ずあるのでご留意くださいね。
また、立地により造成費用がかかったり税金、諸経費などは基本的に坪単価に含まれないので予め試算しておきましょう。
【建物の坪単価】
建物を建てる時の1坪あたりの建築費を表します。
(計算式の例) 建物本体3,000万円÷延床面積30坪＝坪単価100万円
さて、坪単価100万円は高いのか安いのかそれとも妥当なのか、どのように判断しますか？
このように端的に数字で比較できる便利な坪単価ですが、建物においては気を付けるべき重要なポイントがあります。
それは、どの項目を含む・含まないという決まりがないということです。
坪単価に用いる「本体価格」はあくまで箱のこと。
家を建てるには付帯工事や設計費用、各申請手数料といった諸経費、もちろん税金もがかかりますが基本的に本体価格には含まれません。
住むためには空調設備が必要ですし、電気やガスのライフラインも必要です。照明器具やカーテンもないと暮らせませんがそれらはすべて付帯工事に含まれます。
ハウスメーカーや工務店によってどの項目まで含むかが異なるため、単純に坪単価の数字だけで比較することができないのです。
坪単価100万円は高額ですが、都内の防火地域且つすべての付帯工事や建築費まで含み、水廻り設備や空調設備等もまあまあのグレードであればある程度現実味のある数字です。
最初はなるべく安く見せておいて商談を進めながら追加をもらい契約時には驚きの金額に..なんてことが珍しくありません。コロナ禍で厳しい情勢の中で数字に追われる住宅営業マンの苦労は同業ですから痛いほどに理解できますが、それはお客様のためとはいえません。
高額のお金を払うのはお客様ですから、お金に関しては最初から正直に、素直にお伝えするべきですね。
また、延床面積ではなく施工床面積を用いて計算する会社もあります。
延床面積にはベランダやウッドデッキ、玄関ポーチ、小屋裏収納は含みません。施工床面積にはこれら面積も含むため延床面積より広くなり、計算上、安く見せることができます。
カタログやＨＰに掲載される坪単価にはどこかに小さくある注意書きを、見積書をもらう際には価格の内訳を必ず確認しましょう。
それから平屋、２階建て、３階建てによっても坪単価に違いが生じます。
都内に多い防火地域・準防火地域・新たな防火地域においては防火の認定を受けた設備の使用や造りが求められるためどうしてもコストアップになるので覚えておきましょう。
時折お電話で家づくりのご相談をいただきます。
土地を購入し建築会社の選定を急いでいるご相談が多いのですが、その場合必ず坪単価のご質問をいただきます。
きちんとご理解の上であればひとつの参考値としてお答えできるのですが、初期費用のみで比較されている場合には回答がとても難しく。。
もし数字だけお伝えした結果、安い建築会社に決めて後々後悔されてしまったら..と思うと老婆心ながら辛抱ならない思いになるのです。
土地選びや住宅会社探しにあたり比較材料として役立つ坪単価ですが、上記の注意点に気を付けて後悔のない選択をしましょう。
これから住宅購入をはじめる皆さまが知っておくべき情報や知識は『後悔しないための賢い家づくり勉強会』で具体例を交えてお伝えしています。
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